
日常生活では数字をつかう場面は色々あり、通常は対象物の数や重量などを機械的客観的に判断する目的で使用されるにすぎません。数自体が現在の利用目的にとってどのような意味をもつのか、といった具合で意識が向けられています。
具体的には買い物するシチュエーションで、品物1個の価格がいくらで必要分量を購入すると最終的にいくらの金額になるのか、それが予算におさまるのか、といった点が関心の対象で、数字自体に特有の意味を発見するわけではないはずです。しかし他方で数字自体が特有の意味をもち、その選択が回避されることがあるのも事実です。
不吉な数字 日本では古来から数字 4が意識されてきました。単体ではよんと呼ばれることもあり、例えば1から数字をかぞえていけば、いち・にい・さん・よんといった風に発音されることもよくあります。しかし数字 4の読みには、「し」という読み方もあり、例えば四角形は「しかくけい」と読みます。これも日本語ならではの発音の違いにすぎないとみることもでき、四の字を利用するときは「し」と発音する傾向があります。
ところが四の読みである「し」は、「死」の音韻が通じることからしばしば数字 4は縁起が悪い印象をもつ傾向が古来より定着してきたのは事実です。数字 4と四の字の読みは「死」に通じることから、数字 4の読みと漢数字四は同じ意義をもつにもかかわらず、4は縁起が悪いため忌み数と認識されることもよくありました。
縁起が悪い不吉な数字 日本でもう一つ指摘することができるのは、数字9です。このように4や9が縁起が悪いとされる理由は、案外単純なもので厳密に起源をたどることができないというのも興味を引きます。数字9は「く」と読むことができるので、「くろう」や「くるしみ」に通じるため忌み数のカテゴリーに分類することができます。実際のマンションや駐車場では、「4」や「9」はあえて飛ばして記載されていることもあります。病院でも病気やケガの治療に苦労する患者様の意識を配慮して、「死」と「苦」を連想する4と9の数字は避けられています。
ところで最近では暦で「仏滅」の日でもあえて、結婚式を開催するカップルも増えてきました。理由は費用が大安などに比べると安く済ませることができるからです。所詮は数字の読み方ひとつ、今後はそれほど忌み数の数字 4や9についても、あまり関心を引かなくなるかもしれません。時代のうつろいと共に意義や意味合いが変化したり、廃れたりするのは良くあることなので、将来では今ほど4や9が嫌われなくなる日が到来する可能性もあります。